takeda44月1日に宣言した「バカジャイル・メディアネットワーク」の初仕事として、空手家の武田梨奈さん(左アニメ)となべやかんさんとエアギターの宮城マリオさんに出演いただき、ライフネット生命さん向けの広告企画として『威格闘技』というショートフィルム映像というかプチ番組を作った。

以前twitterで、「テレビコンテンツは尺をもたすために動画をダラダラつくってるのでコストが割高。面白い場面は数分なのに、他の場面もあるのでコストを数分に集中できない。ネットはその数分の動画だけコストを集中してつくり、あとは写真とテキストで補完する形にすればいいのかな」とつぶやいたら反響があった。じゃあ作ってみようってことでやってみたけど広告企画で映像をつくる自体が初めてだったので色々試行錯誤な日々だった。

実際にクライアントがTV番組よりネットでのショートフィルムを願うケースは増えているが、広告を含むネット映像はどのようなフォーマットにすべきなのか、まだ何も正解がない。

かといってテレビの作法で作ってもダラダラしてしまうので今回12個の仮説を立てて制作した。出来上がった紹介記事と映像はこちら。あとニコニコ動画版もあります。

空手美少女『武田梨奈』も参戦。「威嚇」で戦う新しい格闘技が誕生!?


ネット映像制作にあたっての仮説はこちら

1. 映像の尺は3〜5分
テレビは30分、映画は2時間まで見られるけど、ネットだと見られるのは数分が限度。なのでその限度を前提として作る。余談だけどカップヌードルを待つ時間が3分なのは、人が待てる限度が3分だからだそうだ。

2. 動画にして意味があるものだけ動画にする
ラブシーンや対決アクションシーンなど、動画にした方が良いもののみを動画にする。これにより尺もコストも減らせる。というのはウェブなので動画以外のテキストと写真も使えるからだ。特に台詞は映像だと時間を食うわりに情報量が少ないので極力使わないようにする。TV番組がダラダラ長いのは、テキストを使えないからだと思う。

3. 必見じゃない動画部分は分割して別で見せる
今回本編の試合と別に出演者のインタビュー映像は別ファイルにしている。これも本編の尺を抑えるためのもので、必見の映像と任意の映像を分けて、見るか見ないかはユーザーに選んでもらうことで尺を抑える。これもテレビにはできないこと。

4. BGMにかっこいい曲をつける
動画でムダな部分を省いていくと、結果として音楽のプロモーション映像や、タモリ倶楽部の空耳アワーの映像に近くなっていく。こうなるとBGMを付けて曲にある程度あわせるとかっこよくなる。今回、ワーナーレコードさんにお願いして映像公開と近い日にメジャーデビューする「MAN WITH A MISSION」の曲を貸していただいた。本当に感謝。

5. 音がなくてもわかるようにする
BGMと矛盾するが、ネットだと音を切っている人もいるので、音がなくても一応わかるように字幕などで補完しておく。今回英語字幕以外に日本語の字幕を一部入れているのは、音を切っている人のためでもある。

6. 映像のなかにスポンサーに出演してもらう
CMはネットだと排除されるので、映像のなかに広告を組み込む。シリアスドラマだと組み込みにくいが、コメディでマッドムービーテイストだと無理なく入る。今回ライフネット生命の社長自らに出演いただいた。色々無理なお願いをしても「いいからやってください」という言葉を頂きありがたかった。

7. ツッコミやすいカット割りにする
恐らく、頻繁にカット割りをするとニコニコ動画などでツッコムタイミングが難しくなる。なのでツッコマれやすいカットは若干長めにしている。例えば、ハイスピード撮影の箇所は若干長めにしている。

8. エフェクトは必要以上にかけない
そもそも尺が短いので映像のエフェクトは極力使っていない。必要な場合だけつける。尺以上に問題なのはコストで、エフェクトを使おうとすると編集費があがってしまう。ムダなエフェクトをつけてもったいない思いをするのはクライアントだ。今回、エフェクトの代わりに、ウェブデザイナーにタイトル画像などをデザインしてもらい、映像に適宜挿入する形にした。これだとコストがあまりかからないのにかっこよくなる。

9. 連載を前提に低コストで作る
実は今回の映像は出演費を除くと25万円で制作している。カメラだけはいいものを使ってもらい、ムダなエフェクトやムダなカットを削ったのと、音楽もクラウンレコードさんの協力で無料にして頂き、間奏にはフリーの音楽素材をお借りした。ありがとうございます!あとロケ地は、かつて主将をしていた横浜国立大学の空手道部にお願いしたのでこちらも無料。

クルマはかつて一部のセレブだけが持っているものだったが、ヘンリーフォードの発明により大量生産ができるようにはってはじめて一般の家庭に普及した。現在テレビ番組をスポンサーできるのは一部の企業だけだが、映像コンテンツの制作費をウェブを活用して安くすることで、より多くのクライアントがスポンサーできるようになれば、オリジナルなエンタメ映像コンテンツがもっとネットに溢れるようになりネットユーザーも楽しめると思う。

ネットでもちゃんとしたスペシャルサイトを制作しようとすればバカ高いが、今回試したのは、映像を含むニュース記事を、ライブドアなど元からのニュースサイトで流す安い方法だ。この方法なら連載をしてもたいしてコストは増えない。なので平日の12時に毎日連載ドラマを流すなんてのも将来したい。例えばOLがランチ時にスマートフォンで3〜5分でサクッとドラマを楽しめて食事中の話題にできるっていうのはありなんじゃないか。

10. 番組を継続するかはユーザーが決める
テレビだとある程度やってみて打ち切ることが多いが、ネットだと極端な話、まず一話をつくってみてネットでの反応を見ればいい。こうすればクライアントも大きな損はしない。

11. 番組紹介はアニメGIFを利用するなど、動画内容がわかるようにする
mario4そうこういってもネットの人は動画をなかなか用心して見てくれない。動画は時間を食うからだ。

なので動画の内容をあらかじめアニメGIFに切り出してなんとなくわかりやすくしてみた。左はエアギターの宮城マリオさん

12. 英語字幕をつける
ネットの映像は即世界公開なので、はじめからすべて英語字幕をつける。どこの国でうけるかわからないし、よその国で評価されたらそれはそれでラッキーだし。まあこのへんは予測不能ですね。

以上の仮説は本当に仮説なので、何が正解かは今後も試行錯誤して調整できればと思ってます。根本の考えとして、ネットの人は広告をみないので、広告をコンテンツ化するのではなく、コンテンツの中に広告を入れることをコンセプトにしてみようかと。商品の広告をエンタメコンテンツに仕上げるって、そもそも無理だと思うので。なら逆をやってみようということですね。

現在、この手のプチ番組(仮称)を数社に提案していて、今回実例もできたので何件かは進むと思います。今回初めてのことだったので何事も体験ということで映像監督までやってしまったけど、今後は映像ディレクターにお願いして私は企画と演出に徹するつもり。

以下は映像制作のオフショットです。ありがとうございました!

snap2DSCF4154snap