沢庵和尚が剣術の教えを書いた不動智神妙録を仕事術として読んでみる。

(相手の剣)トラブルが襲ってくる。それを見て、「あっ、来るな」と思ってしまうとそれに心を引きずられて、こちらは動けずに負けてしまう。逆に思慮分別をもたずに、淡々と応じていけば、かえってトラブルを利用できたりするものです。

こころを四方八方に自由に動かしながら、しかも一つのタスクやトラブルに決してとらわれない事が不動智なのです。不動とは動かない事。智は智慧のことです。一つのタスクに集中して捕われてしまうのも迷いで、かえって自由な動きができなくなってしまい全体では負けてしまうのです。

例えば何かのリサーチをしているとしましょう。そのなかの資料一つに心を止めてみれば、残りの資料は目に入らないものです。資料一つに心を取られずに、全体をなんという事なく見るなら、たくさんの資料が全部目に入ります。

ライフハックとかに捕われるのも迷いです。それは初心のうちで、身につけてしまえばかえって仕事術に意識すること自体が邪魔になるのです。

鎌倉の坊主の歌に「心ありてもうとなけれど小山田に、いたずらならぬかかしなりけり」というのがあります。これは、かかしは心がないけれども立派に獣から田畑を守っている、ということを言っているのです。これは、極めた人の動作を示すもので、そのような人は、立派にタスクをこなしながら、かかしのようにどこにも心がないのです。

不動智神妙録 (現代人の古典シリーズ 7)不動智神妙録 (現代人の古典シリーズ 7)
著者:沢庵 宗彭
徳間書店(1990-01-31)
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